1.兄弟仁義
作詞:星野哲郎
作曲:北原じゅん
親の血をひく 兄弟よりも
かたいちぎりの 義兄弟
こんな小さな 盃だけど
男いのちを かけてのむ
義理だ恩だと 並べてみたら
恋の出てくる すきがない
あとはたのむと かけ出す露路に
ふるはあの娘の なみだ雨
俺の目をみろ 何んにもゆうな
男同志の 腹のうち
ひとりぐらいは こういう馬鹿が
居なきゃ世間の 目はさめぬ
2.喧嘩辰
作詞:有近朱実
作曲:関野幾生
恋とゆう奴あどえらい奴だ
俺を手玉に とりやがる
惚れてなるかと力んじゃみたが
泣かぬつもりを泣かされて
たまらなくなる俺なのさ
ひとつ張られりゃみっつ張りかえす
これが男の 意気地だぜ
おっとどけどけこの横車
あほう承知でおしとおす
やぼな御意見 無用だぜ
殺したいほど惚れてはいたが
指もふれずにわかれたぜ
なにわ節だと笑っておくれ
ケチな情けに生きるより
俺は仁義を だいて死ぬ
3.勝負師
4.関東流れ唄
作詞:星野哲郎
作曲:島津伸男
義理に生きても いのちはひとつ
恋に死んでも いのちはひとつ
ふたつあるなら おまえにひとつ
分けてやりたい このいのち
親のゆるしを もらってこいと
故郷へ帰した かわいいあいつ
あんなきれいな 瞳をしたやつを
なんで汚さりょ この水に
ここが勝負と でてゆくときは
せめてにっこり 笑っておくれ
俺は男で おまえは女
しょせんどこかで 泣き別れ
5.仁義
作詞:星野哲郎
作曲:中村千里
(セリフ)お控えなすって!手前 生国と
発しまするところ関東です
天に一つの陽があるように
この世に道理がなくてはならぬ
どんな立派な素ぶりより
ひとはこころだ
こころをすててどこへゆく
(セリフ)早速のお控え有難うござんす
義理で始まり仁義で終る
いっぽん道だよおいらの旅は
どうせ短い いのちなら
ぱっと燃やして
世間の隅を 照らしたい
(セリフ)お見かけ通りの若輩者です
以後よろしゅうお頼み申します
ばかとあほうの兄弟がらす
あばよで別れて行こうじゃないか
男同志で のむ酒がなぜか今夜は
ひとしお胸にしみるのさ
6.盃
作詞:星野哲郎
作曲:中村千里
(セリフ)なあおまえたとえ生まれはちがっていても
おれたちは 一心同体だ
おたがいにたすけあってゆこうぜ
ハハハ…
花も実もある 男の未来
すてて誓った この盃を
受けたその日が運命じゃないか
こころ残りはないはずなのに
うしろ髪ひく(しっかりしろ)
ああ 月明り
(セリフ)長い間お世話になりました
お流れをちょうだいいたします
骨になっても 魂だけは
星と 輝け みれんの巷
俺を男と 認めてくれた
意気に感じて散りたい夜は
玉の 盃(のんでくれ)
ああ 歯にしみる
(セリフ)俺ア ばかだなァだけどよう
ばかにはばかの生き方がある
浮くも沈むも時代の浪に
のせて流した 男の生命
それじゃゆくぜとにっこり笑顔
むすび直して立つ白帯の
影にくずれる(わらってくれ)
ああ 百合の花
7.誠
8.谷
作詞:星野哲郎
作曲:原譲二
岩を噛む 川の流れを錦に染めて
山と山とを とり結ぶ
谷は男の 思いやり
立てた他人に 泣かされながら
沈む自分に 沈む自分に にが笑い
一粒の 雨が重なる小川の水も
やがて大河と なることを
谷は知ってる 語らない
遠い雲間の 星空仰ぎ
明日の幸せ 明日の幸せ 祈りたい
守りたい 決めた道なら苦労は覚悟
今日は負けても 慌てるな
獅子の子供は 千仭の
谷に己の 未来をかけて
風の峠を 風の峠を 越えてゆく
9.山
作詞:星野哲郎
作曲:原譲二
流れる雲の 移り気よりも
動かぬ山の 雪化粧
ガンコ印の 野良着をまとい
生きる師匠(おやじ)の横顔に
おれは男の山をみた
おれもなりたい 山をみた
けわしい山に 登ってみたい
自分の道を 極めたい
それは男の 見果てぬ夢か
山に登れば その山の
山の向こうに 待っている
山の深さを 知るばかり
目先のことに うろちょろするな
昨日と同じ 今日はない
それが師匠(おやじ)の 口癖だった
たった一度の 人生を
花にするのも がまんなら
山にするのも またがまん
10.箱根のおんな
作詞:星野哲郎
作曲:原譲二
あなたを捨てた 報いでしょうか
男にゃ泣いたと 風便り
白から赤へ 赤から青へ
こころを変える あじさいの
花をみるたび おもいだす
にくい 恋しい 箱根の女よ
届かぬ恋に 苦しむよりは
死んで解きたい 恋縛り
大湧谷の 煙りの中で
愛しさつのり 叫んでみた
俺のこころに いまもなお
住んではなれぬ 箱根の女よ
みどりに晴れた 芦の湖さえも
噂をくれぬ きみのこと
尋ねる今日も 湯本に暮れて
滝音ばかり 塔の沢
ひとり別れの 酒くめば
つらい 逢いたい 箱根の女よ
11.函館の女
作詞:星野哲郎
作曲:島津伸男
はるばるきたぜ 函館へ
さかまく波を のりこえて
あとは追うなと 言いながら
うしろ姿で 泣いてた君を
おもいだすたび 逢いたくて
とても我慢が できなかったよ
函館山の いただきで
七つの星も 呼んでいる
そんな気がして きてみたが
灯りさざめく 松風町(まつかぜちょう)は
君の噂も きえはてて
沖の潮風 こころにしみる
迎えにきたぜ 函館へ
見はてぬ夢と 知りながら
忘れられずに とんできた
ここは北国 しぶきもこおる
どこにいるのか この町の
ひと目だけでも 逢いたかったよ
12.博多の女
作詞:星野哲郎
作曲:島津伸男
ひとの妻とも 知らないで
おれはきたんだ 博多の町へ
逢わなきゃよかった 逢わないで
夢にでてくる 初恋の
君をしっかり だいていたかった
夜の那珂川(なかがわ) 肩よせて
ゆけばしくしく 泣くさざ波よ
ゆるして下さい ゆるしてと
わびる姿が いじらしく
おれはなんにも 言えなかったのさ
それじゃゆくぜと 背を向けて
夜の中洲(なかす)へ 逃げてはみたが
まぶたをあわせりゃ 浮かぶのさ
俺はやっぱり あの頃の
君をさがして 明日に生きるのさ
13.薩摩の女
作詞:星野哲郎
作曲:島津伸男
義理あるひとに 背を向けて
別れてきたと 君は泣く
雨がふるふる 天文館通の
青いランプに 身をよせりゃ
ああ 悲恋の旅の ドラが鳴る
信じていたよ この胸に
いつかは帰る 女だった
肩へ廻した 男の腕に
ぐっと力を いれながら
ああ 仰げば燃える 桜島
いままで泣いた かなしみは
かならず俺が とりかえす
やがて出船の 合図はあるが
故郷で待てよと ささやけば
ああ 錦江湾に 陽がのぼる
14.加賀の女
作詞:星野哲郎
作曲:島津伸男
君と出逢った 香林坊の
酒場に赤い 灯がともる
ああ 金沢は 金沢は
三年前と おんなじ夜が
静かに俺を 待ってる町だ
忘れられよか 天神橋の
たもとにのこる 物語り
ああ あの女も あの女も
おもいの糸の 細白糸を
かけるか遠い 都の空に
謡曲がふるふる 加賀宝生の
木洩れ陽青い 石だたみ
ああ 金沢は 金沢は
身も世もすてて あなたのために
生きると云った 君住む町よ
15.おとこの潮路
作詞:星野哲郎
作曲:原譲二
北斗の向こうに きみがいる
生きる証を 熱い何かを
海に求めた 旅立ちを
わかってくれて ありがとう
きみのためにも ゆかねばならぬ
波瀾万丈 おとこの潮路
嵐の向こうに きみがいる
海を愛して 海に分け入る
海の苦労の 七重(ななえ)八重(やえ)
信じてくれて ありがとう
きみのためにも 耐えねばならぬ
波瀾万丈 おとこの潮路
夕陽の中にも きみがいる
人の願いを 天の恵みを
海につなげる 修羅の身を
わかってくれて ありがとう
きみのためにも 成さねばならぬ
波瀾万丈 おとこの潮路
16.足跡は明日へ続く
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